薬膳と栄養学の視点の違い

薬膳梨楽では薬膳も栄養学のどちらの考え方も大切にしています。
今日はその視点の違いについてお話ししますね。

薬膳のベースとなる中医学と栄養学のベースになる西洋医学の違いを端的に言うと、

西洋医学は“病気”を診て、中医学は“”を診ます。

花粉症を例に挙げます。
西洋医学では花粉に目を付けて、花粉へのアレルギー反応を緩和させるアプローチ。
それに対して中医学は、花粉症の大きな原因は身体の中にあると考えて体質改善に向けたアプローチ。
体質はすぐに変わるわけではないので、今をどうにかしたい時は西洋医学のアプローチは良いかもしれません。
ただじっくり体質改善に取り組むことで体質が変われば、花粉症以外の不調の改善も期待できます。
敢えてどちらかに絞る必要はないと思っています。


食材も薬膳と栄養学とでは観点が異なります。
例えば「胡麻」。
食品成分表では白胡麻も黒胡麻も「胡麻」にまとめられています。
薬膳の食材辞典では、白胡麻と黒胡麻は分けて記載され、異なる効能があります。
効能は食材の成分ではなく「温める」「冷ます」のように身体にどう働くかが示されています。
そこだけ書かれても、何で温めるの?何で冷ますの?と感じるかもしれませんが、その裏付けに栄養学が役立つ部分があります。

私のお仕事は「今日は栄養指導、明日は薬膳レッスン」のように表面的には栄養のお仕事、薬膳のお仕事と分かれていますが、
頭の中はきれいに分かれていません。
もしエネルギー量や栄養素のバランスがばっちりでも、寒いときに冷やすものを食べていたら体には良くないですよね。その時は薬膳の知恵が食材選びを助けてくれます。
逆に今の季節にあった食材だからと言って、際限なく食べていいわけでもありません。その量の指標として栄養学が役に立ちます。

私自身、薬膳を学んだことで食生活の選択の幅が広がり、食材を選ぶことや食べることがより楽しみになりました。

実は栄養学と薬膳は、それぞれに無い視点を補い合える相性のいい学問なのです。

薬膳梨楽

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