歯ぎしりと食物繊維の摂取量に因果関係あり?

先日Yahoo!ニュースで【歯ぎしりと食物繊維不足に関係か 岡山大学などが研究結果を発表】というトピックスがありました。

記事は【こちら

食物繊維の平均摂取量を比較

8~32歳の学生・大学院生計143人を対象にした研究で、歯ぎしりをする学生の食物繊維の平均摂取量は1日10.4gだったのに対して、歯ぎしりをしない学生は13.4gだったそうです。

その差3g。これは大きいです。

食材で食物繊維3gのおおよその目安を示すと…

例えばごぼう1/3本、ほうれん草1/2束、切り干し大根3人前、ピーマン3個、しめじ1パック半、りんご3/4個…。

ざっくりのイメージですが一日で小鉢にしたら2~3品差がある感じでしょうか。

※日本人の食事摂取基準2020年版18~64歳で1日当たり男性21g以上、女性18g以上とされていています。今回の対象者の平均値は下回っており、それだけ不足しやすいものです。

一見、歯ぎしりと食物繊維ってあまり関係ないイメージがありますが、私なりの考察をまとめてみます。

歯ぎしりの原因

そもそも歯ぎしりの原因としてよく言われるのは「ストレス」です。

これは中国伝統医学でも同じ。歯ぎしりはイライラや緊張の影響を受けやすい「」と関係が深いとされています。「肝」は西洋医学でいう自律神経の働きも含むと言われています。

自律神経は体温、内臓の働きを調整していて、活動するときに活発になるのが「交感神経」、リラックスしている時に働くのが「副交感神経」です。ストレスや緊張を感じるときは交感神経が働いています。この交感神経が優位な状態が歯ぎしりやくいしばりの原因の一つと考えられています。

交感神経優位な状態だと

交感神経が優位な状態は血糖値の波が激しくなりやすいです。

ストレスを感じ交感神経が優位な状態だと、血糖値を上げるホルモンアドレナリンが分泌されます。急激に血糖値が上がったあとは、急激に血糖値が下がり、すると血糖値をまた上げようとホルモンが分泌されるという波が起きます。血糖値が下がった状態が寝ている間に起きると(夜間低血糖)、歯ぎしりの原因になります。

また寝る前に糖質の多いものを摂ったり、飲酒をしたりするのも夜間低血糖の原因になります。食後に上がった血糖値が、寝ている間にガクッと下がってしまいます。仕事の終わりが遅くて寝る前に飲食をするケースありますね。そんなときはストレスを感じている場合があるので、より血糖値の波を起こすリスクが上がります。

血糖値を極端に上下させないことが大切です。

血糖値と食物繊維

この血糖値をコントロールするのに食物繊維が一役買ってくれます。糖質の消化・吸収を遅らせると言われています。

血糖値の波が一度激しくなるとすぐには穏やかにならないと言われているので、日中に波が乱れてしまうと夜まで尾を引いてしまう可能性があります。ですので日中の食事からコントロールをしておくことが大切です。

冒頭の研究では歯ぎしりをしない学生のほうが食物繊維が平均3g多かったとのことだったので、もしかしたら日ごろから血糖値の波がなだらかで夜間低血糖が起きにくかったのでは?と思いました。

特に海藻はおすすめ

食物繊維の多い食材の代表格の一つが海藻。海藻はもうひとつ注目したい栄養素があって、それはマグネシウムです。マグネシウムはストレスによる消耗が大きいと言われていますが、緊張を緩める働きがあるとされています。ストレスを感じる時には摂りたいミネラルの一つです。

海藻を摂ることで食物繊維もマグネシウムも摂ることができるので、一品海藻料理が用意できれば良いですが、ストレスが強く料理をする元気がないときは味噌汁の具材にすると良いです。

まとめ

寝ている間の低血糖は歯ぎしりの原因のひとつと考えられています。

食物繊維の摂取量が多いことで血糖値の波の高さが少なく、夜間の低血糖が起きにくかったのでは?と思います。

ストレスが少ない環境を作っていくことが一番大切ですが、食物繊維を摂ることで間接的にアプローチできるかもしれません。

腸内環境づくりのイメージが強い食物繊維ですが、血糖値のコントロールにも有効です。ぜひ野菜、雑穀、海藻などを意識することをおすすめします。

参考文献

歯科でできる実践栄養指導 著:山本典子

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