かぶの葉・茎って食べ応えあるし、葉物野菜ならではの栄養価があることは認識していたけど、改めて代表的な葉物野菜と比べてみたらかぶの葉の栄養価の高さがよく分かったのでまとめていきます。
もくじ
薬膳の視点でみる
かぶの葉・茎は消化不良やお腹の張りにいいとされています。また利五臓といって五臓のすべてをいたわると言われています。
昔の書籍によっては根と葉をまとめて書かれているものもあることから、もしかすると根と葉・茎は近い働きがあると考えられているのかもしれません。
今回栄養価を比較する野菜
かぶの葉の栄養価を代表的な葉野菜“ほうれんそう”“小松菜”と比べて見ていきます。
これらの葉野菜に多く含まれる栄養素で比較してみます。
今回ほうれんそうは通年出ているものを平均した栄養価ではなく、冬採りのほうれんそうの栄養価を参考にしています。
ちなみに寒さに耐えた野菜はストレスを感じた分抗酸化作用のビタミンを自力で増やしている、つまり栄養価が高まると言われています。
参考資料:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
通称“食品成分表”では生の状態、ゆでの状態の栄養価と分けて書かれていますが、今回は生、そして100gあたりの栄養価で比較していきます。
ビタミンA
主な働き…抗酸化作用・お肌の張り・目の働きと保つ
粘膜を強くする働きがあるので、かぜや感染症予防にも大切な栄養素です。
そのビタミンAを比較すると、
かぶの葉…230㎍、ほうれんそう…350㎍、小松菜…260㎍
(日本人の食事摂取基準では30歳以上の女性の推奨量は700μg/日)
ほうれんそうや小松菜と比べても遜色ない値ですね。
油に溶けやすいビタミンなので胡麻と和えたり、炒めたりすると効率よく摂ることができます。
ビタミンE
主な働き…強い抗酸化力・血行促進
かぶの葉…3.1㎎、ほうれんそう…2.1㎎、小松菜…0.9㎎
この3つの中ではかぶの葉が断トツです
先ほど出てきたビタミンAも抗酸化作用を持つとされていますが、一緒に摂るのがおすすめです。というのも活性酸素を除去したビタミンEは、今度は自らが酸化してしまうのです。その酸化した状態からリカバリーしてくれるのがビタミンAです。かぶの葉はどちらも含むのが強みですね。
鉄
主な働き…貧血の予防・改善
鉄が不足すると貧血につながるのは既知の情報かと思いますが、実際貧血と診断されるほど検査値に現れた状態は結構ひどい状態だと言われています。健康診断などの数値では問題なくても、潜在的に鉄が不足しているケースは少なくありません。
また幸せホルモンのセロトニンや、ときめきホルモンのドーパミンが作られる過程でも鉄は必要とされます。心穏やかに過ごすためにも鉄は大切なのです。
なので葉物野菜は鉄が摂れる貴重な食材ですが、3つ比較してみると…
かぶの葉…2.1㎎、ほうれんそう…2.0㎎、小松菜…2.8㎎
鉄といえばほうれんそうをイメージされることが多いですが、かぶの葉もほうれんそう同等の鉄を含みます。ただし植物性の食品に含まれる鉄は非ヘム鉄といって身体の中で吸収されにくい鉄です。たんぱく質と摂ることで吸収が高まりますので、食べ合わせの工夫は必要です。
カルシウム
主な働き…骨や歯の成分、筋肉や神経の働きをサポート
かぶの葉…250㎎、ほうれんそう…49㎎、小松菜…170㎎
この中ではかぶの葉のカルシウムがいちばん多いです。カルシウムは日本人に不足しやすいミネラルの一つなので、貴重なカルシウム源になりますね。
おすすめの組み合わせ
かぶの葉の栄養価を活かす組み合わせを紹介します。
かぶの葉×ごま かぶの葉×油
かぶの葉のビタミンAやビタミンEは脂溶性ビタミンなので油と摂ることで吸収が高まります。炒めない場合は胡麻で油分をプラスするのがおすすめです。ビタミンAはビタミンEのリカバリーを担っていますし、鉄の吸収を助けるとも言われている大切な存在です。ぜひ最大限吸収しておきたいですね。
かぶの葉×桜えび かぶの葉×しらす干し
えびやしらす干しはたんぱく質源として鉄の吸収を高めてくれます。またカルシウム源にもなるので、かぶの葉と合わせることでカルシウムたっぷりな一品になります。
かぶの葉からは話が逸れますが、ごま・桜えび・しらす干しはマグネシウムの補給源にもなります。鉄のところで出てきたセロトニンやドーパミンの合成にはマグネシウムも関わります。そのセロトニンから睡眠を促すメラトニンが作られますが、その時にもマグネシウムは必要になるので、そういう意味でも良い組み合わせだと思います。
まとめ
かぶの葉はよく使われている葉物野菜と比べても、遜色ない栄養価があることが伝わったかと思います。白い根の部分には消化酵素を含むので胃腸をいたわることができるし、葉や茎からはビタミンやミネラルを摂ることができます。
かぶを買う時は葉・茎のついたものを選んで、丸ごと活用したいですね。
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